工事現場やイベント会場で「警備員が足りていない」という話を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。ここでは、警備業界の人手不足の実態を統計データとともに整理します。
※ 令和7年末の最新の数字(警備員596,985人など)は、令和7年の警備業の概況の記事で整理しています。
警備業界の就業者数は約57万人
警察庁「令和6年 警備業の概況」によると、2024年末時点で警備員数は約57万人、警備業の認定業者数は10,811業者と、前年比1.3%増加しています。業者数・就業者数自体は緩やかに増えているものの、それ以上に「警備が必要な現場」の数が増えているのが実情です。
有効求人倍率は全職種平均の約2倍
保安職(警備員を含む)の有効求人倍率は、全職種平均のおよそ2倍という高い水準で推移しています。これは「求人を出しても応募が集まりにくい」状態が慢性的に続いていることを示しており、警備業界が恒常的な人手不足産業であることの裏付けになっています。
平均年齢は50代、高齢化が進む業界
警備員の平均年齢は52.9歳と、他の職種と比べて高めです。定年後の再就職先として警備の仕事を選ぶ人が一定数いる一方で、若年層の新規参入が少ないことが、平均年齢を押し上げる要因になっています。今後、現在の中心層である50代警備員が引退時期を迎えるにつれて、人手不足がさらに深刻化することが懸念されています。
なぜ若い世代が集まりにくいのか
主な要因として挙げられるのは、①不規則な勤務形態、②「やめとけ」に代表されるイメージの悪さ、③無資格のうちは収入が上がりにくいこと、の3点です。特にSNSやネット上でのネガティブな情報発信は、実態以上に業界イメージを悪化させている側面もあります。
人手不足でも市場は拡大している
興味深いのは、人手不足が深刻化する一方で、警備業界全体の市場規模は緩やかに拡大を続けているという点です。イベントの増加、再開発工事の活発化、施設のセキュリティ需要の高まりなどが背景にあり、「人が足りないのに仕事は増えている」という構造になっています。これは裏を返せば、警備員一人あたりの市場価値・交渉力が高まりやすい環境とも言えます。
まとめ
警備業界の人手不足は、高齢化・若手離れ・イメージの問題が複合的に絡み合って生まれています。ただし市場自体は拡大傾向にあり、資格を持つ人材の希少価値はむしろ上がっていく可能性があります。これから警備業界に入る人にとっては、悲観すべき状況というより、資格を取って専門性を身につければ評価されやすい環境と捉えることもできます。
📱 これから資格を取得する方は、需要が伸びている分野から選ぶのも一つの戦略です。資格対策アプリシリーズ一覧
